社長が交代したら契約破棄もOKか

 「この度、社長が交代しましたので、これまでの契約を見直すことと致します」という通知が届いて、契約料が半分になったり、契約をいきなり打ち切られたりしたらどうか。怒らぬ者はいないだろう。社長交代で社内の仕組みを見直すのは、どうぞ勝手にやってくれだが、他社との約束は守らねばならないだろう。しかも、こちらが下請けだったらなおさらだ。
 今の政権がアメリカに対してやっていることは、それと同じ。アメリカ人はこういうことに敏感に反応する。約束を守らない人間は、徹底的に無視しても徹底的に叩いてもよいという口実を与えてしまったように思えてならない。米国本土でトヨタがバッシングを受け始めたが、これと無関係ではない。
 変更するならするで、国民にも尋ね、アメリカともよく話し合い、用意周到に準備するべきだろう。国民はこのようなことまでも現政権に託すべく投票したのだろうか。
 今度、アメリカが日本の言うことを無視したり、突然条約を変更したりしても、日本は文句を言えなくなってしまった。もし、私がオバマ大統領だったら、「面倒臭いから日本抜きでやろう」と中国に言うだろうし、今後重要な安全保障に関する情報は知らせないだろう。
 いや、完全にアメリカに頼らないで安全保障が保てるならいいんですよ、完全に対等な関係なら。それでも約束を守らないのは危険だが、今よりはまだましでしょう。現在、国内でいろいろな政治的変化が起きているが、そんなことにかまけている間に、日本はとんでもない方向に歩き出してしまった。
 このまま放置すると、日本はどこからも相手にされなくなる。あるいは日本と契約するのはリスキーだとなる。なぜなら、アメリカでなくても、日本は言ったことを守らない以上に、何をするか分からない国だということになる。ミステリアス・ジャパン、危うし。