復職プロセスで「心の病」減少?

 職場の環境調整などの復職プロセスをうまく行えば従業員の「心の病」が減少する? 財団法人日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所(東京都渋谷区)がこのほど実施した「心の病による休業者の復職」に関する企業アンケート調査で、こんな可能性を示唆する結果が示された。

 調査は、全国の上場企業2237社の人事部長を対象に今年4-5月に実施。242社から有効回答を得た(回答率10.8%)。
 それによると、過去1年間に「心の病」のため、欠勤期間なども含めて1か月以上会社を休んだ後に復職した従業員がいる企業は226社中168社(74.3%)だった。
「心の病」からの復職プロセスが問題なく行われているかを尋ねたところ、「まだまだ問題が多い」119社(49.2%)、「特に問題はない」54社(22.3%)、「分からない」35社(14.5%)「ケースが無い」24社(9.9%)だった。
 一方、最近3年間の「心の病」の増減では、「増加傾向」117社(48.3%)、「横ばい」81社(33.5%)、「分からない」26社(10.7%)、「減少傾向」12社(5.0%)。
 復職プロセスと増減の関係をみると、「増加傾向」と回答した企業(117社)では、「まだまだ問題が多い」70社(59.8%)、「特に問題はない」25社(21.4%)、「分からない」17社(14.5%)など。
 一方、「減少傾向」と回答した企業(12社)では、「特に問題はない」が6社(50.0%)で、これに「まだまだ問題が多い」「分からない」が同率(3社、25.0%)で続いた。
 これについて同研究所は、「『心の病』に関する復職のプロセスをうまく行うことが、『心の病』の増加傾向を抑えることに対して、なんらかの関係性を持っている可能性が示唆されている」などと分析。復職プロセスを含む事後処置で再発予防をしっかり行うことで職場の信頼と活力が向上すれば、「心の病」になるリスクが低減する可能性があると指摘している。

(8月28日 16時22分配信 医療介護CBニュース)