過酷な日本の課長職 4割が心の健康に悩み 産業能率大調査

 上場企業の課長の4割が「自分はいきいきと働けていない」と感じていることが産業能率大学のアンケート調査で19日分かった。上司や部下との人間関係や仕事のプレッシャーなどで約4割がメンタルヘルス(心の健康)に不安を持った経験があると回答。上司や部下のはざまで精神的な重荷を背負っている中間管理職の厳しい現実を浮き彫りにした。
 この調査は、従業員100人以上の上場企業に勤め、部下が1人以上いる課長428人を対象に仕事の悩みなどを聞いた。
 調査によると、99%が管理職だけでなく「プレーヤー」として現場の仕事も兼務していると回答。このうち、半数以上がプレーヤーとしての活動がマネジメント業務に支障を与えていると答えた。
 また、課長として悩みについては、「業務量が多すぎて余裕がない」(33.6%)、「部下の人事評価が難しい」(32.9%)、部下がなかなか育たない」(29.7%)、「上司と考え方が合わない」といった回答が多くを占めた。
 「メンタルヘルスに不安を感じた」との回答は43.3%に達したが、上司や部下との人間関係や仕事のプレッシャーなどを原因に挙げる割合が多かった。
 職場の状況について54.2%が「3年前より業務量が増加した」と指摘。業務量や処遇などの面で「昔の課長がうらやましい」とみている課長は84%に上った。
(2010年10月19日 産経新聞