自殺直後から原因調査を 学校の不適切対応回避へ

 文部科学省の専門家会議は8日までに、児童生徒が自殺した場合の学校の対応方法を示した初めてのマニュアルを作成した。教職員で対応チームを作ることや、原因究明のため発生直後から背景調査に着手することなどを提案している。
 近く全国の教育委員会や小中高校に配布する。自殺防止に向けた手引は既にあるが、過去には学校側の対応のまずさから遺族が不信感を募らせた事例も少なくないため、作成に踏み切った。
 文科省は「日ごろから目を通し、危機対応の一つとして備えてほしい」としている。
 マニュアルは、遺族や保護者、報道の各担当など教職員の役割を平時から決めておく必要性を強調。自殺が起きた場合は、校長やスクールカウンセラーらを加えた会議を随時開くよう促した。
 遺族や学校にとって原因を知ることは重要として、教職員や一部の児童生徒から聞き取りをすぐに始めることを提案。
 ただ早い段階で「トラブルはなかった」と決め付けないように求め、「前日に同級生とトラブルがあった」など断片的な情報の取り扱いにも慎重な対応が必要とした。
 憶測などが広がらないように正確な情報発信が必要として、保護者会や記者会見の開催も学校側に求めた。
(2010年4月8日 共同通信