市係長の自殺はパワハラが原因…公務災害と認定

 島根県浜田市の元男性係長(当時50歳)が自殺したのは職場内のパワーハラスメントが原因として、遺族が公務災害認定を求めたのに対し、地方公務員災害補償基金支部が「公務災害」として認定したことが16日、わかった。
 市は「重く受け止め、再発防止に努めたい」としている。
 同市などによると、男性は市長部局の係長だった2006年1月、うつ病状態と診断され病気休暇。復帰後も再び休職するなどし、同10月14日夜、市内の広場に止めた車の中で練炭自殺した。
 同支部の認定によると、仕事を休んでいることを中傷するハガキが自宅に届き、家族に病気を知られたことや、係員全員が押印した「係長更迭の嘆願書」が人事当局に出され、上司から見せられたことによって、うつ病が悪化したなどと指摘。また、市町村合併前の旧町で発覚した不正経理に絡み、市が同9月、男性に聞き取り調査を行ったことも「配慮を欠いていた」などとした。
 同支部は09年3月、遺族の申請を「公務外」としたが、同支部審査会が今月9日、職場のストレスと自殺との因果関係を認定。これを受け同支部が15日、公務上の災害と認めた。
 市は今年7月、幹部職員を対象にしたパワハラ防止の研修会を開いており、稲葉裕男・同市総務部長は「認定を重く受け止め、精神疾患の職員に対する接し方に細心の注意をはらい、二度と起きないよう対策を講じる」と話している。
(2010年9月17日 読売新聞)