子どもの自殺、08年は過去最多に 自殺白書

 鳩山内閣は17日、「09年版自殺対策白書」を閣議決定した。08年中の自殺者は3万2249人で前年より844人減ったが、学生・生徒(小学生を含む)は99人増え、統計をとり始めた78年以降最多の972人となった。学生・生徒の自殺は03年以降、増加傾向にある。

 前年比11.3%増で、サラリーマンなど職業別の集計の中で唯一、増加した。自殺の理由(1人あたり複数)が特定された中では、学業不振や進路の悩みなど学校問題が337人、うつ病など健康問題が284人、家庭問題が81人だった。

 学生・生徒の自殺は全体に占める割合は大きくないものの、いじめを苦にした自殺や連鎖的な傾向が見られるなどの問題があると白書は指摘しており、子どもが悩みを打ち明けたいときに打ち明けられるシステムづくりが重要だとしている。

 自殺者は03年の3万4427人をピークに、11年連続で3万人を超えた。職業別では無職1万8279人(56.7%)、サラリーマン8997人(27.9%)、自営業3206人(9.9%)、学生・生徒972人(3.0%)だった。

 年代別の自殺者数は、50歳代が6363人(19.7%)と最多で、60歳代5735人(17.8%)、40歳代4970人(15.4%)。40〜50歳代男性の自殺理由の約4割が経済・生活問題だった
(2009年11月17日 朝日新聞